虚業と実業

最近のメディアの報道を見ていると、ウクライナでの戦争やコロナウイルス関連のニュースよりも、旧統一教会と政治との癒着について取り上げているのが多いように思います。

 

いわゆる霊感商法というのは昔からありました。ねずみ講やネットワークビジネス然り。最近では、オレオレ詐欺や給付金詐欺などもありました。

 

 

こういったビジネスは「虚業」と言われます。

 

農林水産業、製造業といった、全うと言われる「実業」と対比されてよく使われます。汗水垂らして頑張って働くのが実業、頭だけで楽して稼ぐのが虚業、そんなイメージを持っている方もいると思います。

 

 

質問ですが、あなたのお仕事は「実業」と「虚業」のどちらでしょうか?答えに窮しましたか?(笑)

 

 そもそも「虚業」とは何なんのでしょう?

 

 分かりやすいのは冒頭の霊感商法とか詐欺まがいの仕事です。人を騙して何かを売りつけたり、加入させるようなものです。でも、不動産収入、株式投資、FXなどの不労所得やアフィリエイトなども虚業と言われることが多いです。

 

 

以前、私は経営コンサルティング会社に勤めていましたが、「コンサルってなんか怪しいよね」とか「コンサルって何してるのか分からない」と言われることがよくありました。新手のネットビジネスなんかも虚業とみなされることがあります。

 

 

そう考えると、虚業というのは、まだ誰もやっていないような新奇性のあるビジネスだったり、実体が見えない(見えづらい)ビジネスなわけです。ユニークで見えづらいビジネスというのは、本来は他社との差別化につながるはずなのですが、経営者が社員から労働力を搾取する、お客からお金を搾取する、そんな依存関係になっていることが悪い虚業なのかもしれません。

 

 

虚業、実業と二項対立になってしまうのは、従来のタイプの実業ではそもそも稼ぐのが難しいという現実もあります。

 

・規制と系列に守られた業界構造

・終身雇用、年功序列、企業内組合に守られた労働構造

・非正規社員と長時間労働に守られた生産構造

 

が日本の企業も社員もダメにしてきました。 

 

 

2020年のフォーチュン500の企業売上高ランキングを見ても、上位に来るのはアメリカ、中国の会社ばかり。ウォルマートを除けば、石

油、電力、IT企業が名を連ねます。日本勢はトヨタの10位のみ。利益率が高いのは圧倒的にインターネットやデジタル化を進めている企業です。

 

 

当初は「虚業」とみられていた企業です。

 

そう考えると、昔ながらの「実業」にしがみつくのも問題ですし、現在の事業に「虚業」的な要素を取り込んでいくことも大切な視点なのかもしれません。

 

「虚業」か「実業」のどちらが良いかということではなく、どういうビジネスが利益を出しながら、社員もお客、そして自分自身を幸せにできるのかということだと思います。

 

 

あなはた、自分のお仕事について、どんな風に考えましたか?